4-10.weightの設定
 
 さて、最難関と言われるweight設定に移りましょう。
 weightとは、前に書きましたが各頂点が受けるbone移動量の影響度のことです。
 
 まず、edit modeで先にjoinしたTシャツメッシュと名札メッシュを分割します(図81)。
 この時、materialが増えてしまっていることを覚えておいてください。 後でひとつに減らします。
 
 図81

 
 次にLink and Materialsの中にある、Vertex Groupsをクリアします(図82)。
 Deleteボタンを何回か押してください。
 この作業は、HGEC素体が持っていたweight設定を消す作業です。 必須では無いかも知れません。
 
 図82

 
 名札メッシュも同様にクリアします。
 
 さて、先にコピーしておいた素体メッシュを使います。
 素体メッシュとTシャツメッシュを全選択状態にしておきます(図83、84)。
 
 図83

 
 図84

 
 次にobject modeで、Tシャツメッシュ→(Shift押しながら)素体メッシュの順にを選択します。
 Object>Scripts>Bone Weight Copyを選択します(図85)。
 
 図85

 
 すると小窓が出てきますので、Qualityを3にしてUpdate SelectedをチェックしてOKを押すと素体メッシュの各頂点が持っているweight値を元に、Tシャツメッシュの各頂点にweightを自動で設定してくれます(図86)。
 多少時間が掛かります。
 
 図86

 
 Tシャツメッシュに先ほど消したVertex Groupsが追加されていれば成功です(図87)。
 
 図87

 
 同様に名札もBone Weight Copyを行なってください。
 
 Tシャツなどのweight調整はこれで十分ですが、今回の名札(金属)のように変形しない物は自分で修正する必要が出てきます。
 図88はBip01 Spine1(お腹のBone)の影響、図89はBip01 Spine(下腹のBone)の影響を示したものですが、青〜緑色と各部で色が異なってます。
 緑色の方が青色よりもBoneに追従するのですが、ゲーム中では名札がぐにゃりと曲がってしまうことが想像できます。
 図88

 
 図89

 
 では、これを修正していきましょう。
 まずobject modeでboneを選択し、Mode>Pose Modeを切り替えます(図90)。
 すると、boneが水色に変わったと思います。
 
 図90

 
 次に、Armatureの中になるX-RayとDraw Namesをチェックします(図91)。
 これはこれからの作業をしやすくしているだけで、必須ではありません。
 
 図91

 
 すると、図92のような画面になるはずです。
 
 図92

 
 この状態で名札を選択し、Mode>Weight Paintに切り替えます(図93)。
 そうすると先ほどの図88、89の画面になるわけです。
 
 図93

 
 Weight Paintモードは、weightを筆で塗る感覚です。
 塗るweight値、強さ、筆の大きさなどは、Paint内で設定できます(図94)。
 
 図94
 weight値は0.000が最弱/青色、1.000が最強/赤色です。
 
 ところで、名札のweight値を塗る前に、名札が付いているTシャツのweight設定を見てみましょう(図95)。
 場合によっては、Tシャツ側のweightも手で修正しないといけないかも知れません。
 ゲーム中、Tシャツだけ好き勝手に変形して、名札が空中で取り残されてしまうからです。
 (今回、この作業は割愛します)
 
 図95

 
 名札のweightを設定しましょう。
 ぐにゃりと曲がらないようにするためには、全ての頂点を同じ色で塗ればOKです。
 Bip01 Spine1はweight 0.450、Bip01 Spineはweight 0.25で塗ってみました(図96)。
 
 図96

 
 これでweight設定は終了です。
 
 最期にweight設定の注意点を書いておきます。
 メッシュのところでも書きましたが、メッシュが重なっている部分(例えばTシャツとTシャツの中の素体)はweight設定と頂点数を合わせないと、下に隠れてるメッシュが突き抜けて出てきてしまいます。
 関節付近は変形が大きいので、名札のような変形しない物との相性が良くありません。
 主にこのふたつが、weight設定を最難関たらしめる要因だと思います。

 
 
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